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教育現場の叫び 過労死ラインの労働時間

昨今やっと話題に上がるようになった「教育現場の過酷な労働体制」

 

日本政府が進める働き方改革に置いて、残業時間の上限を月100時間未満にすることが2017年3月に決定された。

どうして「100時間未満」に定められたかというと、「その前の月に100時間以上残業があった」、もしくは「2~6ヶ月間に毎月80時間以上の残業があった」場合に、心疾患や脳疾患を患い過労死することが多いからだ。

これに違反した企業には罰金が科されるように取り決められたが、なんと!

公立校教員は上限規制の対象外となっているのだ( ;∀;)え~!!

 

名古屋大学准教授の内田氏が統計を取って下さった結果、

小学校教員の50%以上が月100時間(過労死ライン)を超えて働いている」ということだ。

さらに、

中学校教員の80%が月100時間(過労死ライン)を超えて働いている」という驚愕の事実(@_@)!

 

確かに、現場を見ると、教職員のほとんどは5時の定時を過ぎても残って仕事をしている。

鬼のように仕事があるから、5時に退出できる教員などほとんどいない。

基本は20時~22時まで学校に残って公務や宿題や授業ノートの丸付け、学級通信、学年会議、明日の授業準備などをしている。

朝も、定時にくる人はほとんどいない。

1時間ほど早く出勤して、校区巡回や門に立って挨拶指導、教室の環境整備や授業準備などをしている。

つまり、4~5時間は毎日残業をしているのに、その時間働いた分の給料は0円なのだ。

土日出勤しても状況は変わらない。

多く働いた分は「自主的」ということで無償の労働になる。

放課後と土日の部活動もそれに等しい。

なんと理不尽( ;∀;)

じゃぁ、早く帰ればいいじゃないかと思われるかもしれないが、大事な子どもたちを預かっている以上、責任が大きく伴う。

担任を持っていると、基本的に子どもが学校にいる間は目を離せない状況になる。

朝も、給食時間も、お昼休みも、放課後も・・・

全ての子どもたちを一人で見るのは限界があるが、「先生がここにいる」「ここに行ったら先生に会える」という状態は常に作っておいて、いつでも子どもたちがこれるようにしておくようにどの先生も心がけている。

何故か?

トラブルがいつ起こるか分からないからだ。

基本的に一年中朝は教室にいて子どもたちを迎えるのだが、特に慣れない4月~5月は担任の先生が朝教室にいると子どもたちが安心する。

朝、教室に登校してくる子どもたちを先に待機して迎えられなかったらどうなるか?

低学年は、怪我やトラブルが日常茶飯事なので、何か起こってしまうかもしれない。

走ってきて途中で倒れてケガをし、血をダラダラ流して大泣きしてくる場合もある。

学校にくるのが嫌で、泣きながらお母さんにつれてきてもらう子もいる。

傘が引っかかって登校中に倒れ、歯を折った事件もあった。

外で遊んでいる子どもがブランコから落ちて顔面血だらけになったこともあった。

取っ組み合いのけんかが起こったこともあった。

体調が悪くて、急に嘔吐する子もいた。

そのような場合、子どもに任せることはできない。

特に嘔吐はノロウイルスの恐れもあるから、すぐに保健室に行ってそれ専用のセットで「教師」が対応し、子どもたちは嘔吐物に触れないように避難させないといけない。

このように、教師がすぐに動けるように待機しておかないといけないことが多いのだ。

だから子どもたちが学校にいる間はどこか緊張しているし、いつでも動けるように心づもりをしている。

 

教育現場の声を聞くと、そろって口に出てくるのが「忙しい」ということだ。

教師の仕事は切りがない。

やろうとすればどれだけでもやることが出てくるから終わりが無いのだ。

個人の仕事だけでもそうなのに、学校の公務や地域関連の行事、保護者対応など様々あるので、時間がいくらあっても足りない状況になる。

先輩の教師はこう仰った。

「昔はもっと仕事が楽だったよ」

年々仕事量が増え、やるべきことが増え、「本当にやりたい子どもたちに向き合える時間」の確保ができなくなっていると嘆いていらっしゃった。

それは私も感じる。

長年教師をする中で、子ども一人一人と向き合い、学級運営のために色々なアイデアを出しながら子どもたちと楽しく過ごしたいのに、その余裕が全くないのだ。

「こんなことしたいな」と希望いっぱいで入った教育の世界。

しかし、現場は仕事に追われて自分がやりたい事の半分もできない。

教員たちは悲鳴をあげているのも事実だ。

 

もっと、教師が教育者としてこどもたちとしっかり向き合える時間を確保できるように、教育者の職場環境も改善されるべきだと思う。

長年課題だったけど問題に全く上がってこなかった教育現場の現状が、今回このように問題視されるようになったことが、変化のための光のように感じる。

教師たちが本来すべきはたらきをできる職場環境が徐々に整備されることを願うばかりだ。

 

 

 

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